コロナ禍以降で最も株価が伸びたゲーム企業はどこか?と言われた時、多くの人は「ウマ娘」が大ヒットしたサイバーエージェントや、「リングフィット」がバカ売れしたりそれ以外にもオンラインストアが絶好調の任天堂を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、実際はゲーム系大企業の中で圧倒的に利益が伸びた会社はカプコンでした。
6年で株価10倍。コロナ以降では株価3倍
カプコンというと昔からある企業で、みんな名前を知っていると思います。
こういう会社は数年でそんなに変化しないでしょ、って思われがちなのですが、ここ数年間での成長ぶりは他者を圧倒しています。なんと株価が10倍以上に成長しているんですね。
とくに、コロナショック以降一気に3倍以上に伸びています。
伸びたのは売り上げではなく…
急に株価の伸びだけ見せたら、「ああ、モンハンシリーズの新作が爆売れしたんだろうな」とか「バイオハザードの新作が凄く売れたんだろうな」と思うかもしれませんが、そういうわけではないです。
日本だけでなく世界でも大人気でカプコンの屋台骨となっている「モンハン」シリーズですが、最新作「モンスターハンターワールド」が出たのは2018年。その時と比べて、株価は3倍になってますが、実は売り上げはその時がピークであり、それ以上は伸びてません。
大幅に伸びたのは、利益です。なんと3年でほぼ倍になっています。この規模の事業では考えられないほどの利益率改善が起きたんですね。
しかも御覧の通り、来年は営業利益率が42%になる見込みです。
こんな数字を出せるのは国内企業では日本ファルコムだけだと思ってました。(日本ファルコムも、いつか別の記事で紹介したいです)
なんでカプコンは急激に利益が伸びたのか?事業そのものが変わったのか?
当然これが気になりますよね。
私も最近まで知らなくて、たまたま「逆転裁判」の売り上げの推移が気になって調べたら「なんじゃこりゃあああああ!」ってなりました。
そんなわけでカプコンの利益率改善の秘密について調べていきたいのですが……。
たくさんあるので一つずつ掘り下げていきたいと思います。
いくつかヒントとなりそうな指標を載せておきますね。
まずはゲーム業界を中心に理解していくため、しばらくこのブログではカプコンの資料を紹介していきたいと思います
幸いなことにカプコンは「データドリブン企業」を称しているだけあってIRによる情報開示がめちゃくちゃ充実しています。決算説明書もものすごく情報がたくさんあります。
他にも毎年統合報告書の中で業界分析レポートを出してくれていたりとすごく勉強になる資料がてんこ盛りとなっているんですね。
私も、これから勉強のために、まずしっかりカプコンが出してくれている資料を読んでいき、それを皆さんにも紹介していきたいと思います。よろしくお願いします。